八王子市片倉町の16号沿いにある城跡の公園。
前に近くの都道北野街道を通った時に見かけた案内で気になってた所、ちゃんと公園になってそうだから駐車場ありそうだなと思ってて、今日来てみたら16号沿いの入口の先に思いのほか大きめな駐車場があったので、悠々停めて城跡歩き。
まず入口の案内地図がしっかりしてて有難かった。
で、彫刻広場に進むと思ったより沢山の彫像が並んだ芸術ゾーン。アートですね。
芸術には疎いけど、ひとつひとつ見てまわり、住吉池も眺めた。池は浅いようで寒そうなアオサギがそろりそろりと歩き回ってた。

広場からは反対側にも池に続く道があったけど、そっちには進まずに二の丸広場の山方向の道に進んだ。
山の中腹には住吉神社というのがあるそうだけど、まっすぐな石段は登る気がせずに手前を折れた。(住吉神社も城の腰郭だったらしい。。)
入口の公園らしさはすっかり山道に変わって「まむし注意」と喚起してた。まぁもう冬眠してるでしょ。
小さな橋で渡る片倉沢はチョロチョロながらちゃんと水が流れてた。
そしてしっかり山道。真っすぐじゃなくても登る分は登るわけで、ゆっくり進んだ。
山道はトレーニング中っぽい高校生が走りまわってて大きく避けて通して何度も休憩したのでそんなに苦でもなかった。高校生はみんな「ありがとうございます」と礼儀正しく駆け抜けて行ったけど、休憩の誤魔化しなので感謝されて申しわけなく思った。
神社より少し高い所の広場に登りきったーと出た所が二の丸広場かと思いきや、そこは展望広場とあった。え?こては曲輪じゃないの?出丸でしょ?
ここからは木々の合間から北の八王子市街がよく見えた。まぁ冬だから見えるけど春から秋までは葉が繁って展望ゼロだろうね。勿体ない気もするけど近隣住民は覗かれてるようでヤだろうし。
展望広場から下りて堀の向かいに登るとそっちが二の丸広場。思った以上に広い芝生の広場で驚いた。城感は薄かったけど大きな城だったんだねぇ。

広場では小学生のクラブか何かの一行がシート敷いて弁当食べてた。
南の端が丘陵の続く方でしっかり堀の谷で切られてた。浅くてすぐ越えられそうな堀。往時はもっと深かったのではなかろうか。
南東側は丘が土塁役となってて(実はこの部分、堀で切られてて馬出のような郭だったらしい。よく見ればよかった。。)、東側に橋の架かる堀があってその先が本丸だった。
橋の前に城の案内板があった。
片倉城は室町時代前期の応永年間に大江氏の城だったらしいけど確証はないらしい、、築城も廃城もハッキリしてないそうで、配置や場所的に戦国時代に北条が築城したとも考えられるとか。。あやふやなのね。
そして公園ぽいコンクリの橋を本丸に渡った。横に見る堀は雑草で埋まって浅く見えた。
本丸はこの橋の脇の奧が櫓台だったそうだけど、それも高さも盛りも感じずピンとこなかった。

本丸広場は二ノ丸より小さく木々に囲まれて狭く感じた。けどここでもピクニックでお弁当食べてる家族がいたりしてほのぼの。
日陰側には足元で沢山の土鳩がもぞもぞと啄んでまわってて、一斉に飛んだらうるさそうだから驚かさないようによけて歩いた。北側には住吉神社の社殿の屋根が見えた。
その住吉神社の腰郭に下れば素直な城巡り順路って感じだけど、なぜか気が進まずもう少し廻ろうと二の丸に戻った。
二の丸広場では弁当後の一行がボール遊びを始めてたのでよけて通過して、西側の堀に下りた。
この西側は堀というか奥の沢の谷。最初に上ってきた展望広場の横から続く道。それを奥の沢の上に進むと柵が狭まった出口みたいなトコに「火気厳禁」の看板があって、その先は外かと思いきや広場になっててちゃんと柵に囲まれた公園内だった。っていうか、ここは城外?少々斜面だけど本丸並みの広さの郭に見えるんだけど。。(城外らしい)

っていうかこんな緩やかな斜面がすぐ脇にあったら城として弱すぎるんじゃないか??とか思いながら、その広場の北西の端から山を下る道に出た。
こっちの道は緑の笹の繁る林で木々の合間から八王子市街が覗いてた。野鳥の声も多く、ちょっと立ち止まって声を追って鳥を探した。けどなかなか見つからず悔しくて動けなかった。キツツキの木をたたく音なんかが一番見つけやすそうなのになぁ。そして、木々を飛び移ってた小鳥の姿を追ってカメラでズームしてやっと見つけれた鳥はメジロだった。んーなんかメジロって春の鳥ってイメージなんだけど、、かわいいから見れて嬉しい。
ぐるっと回って下ると下には小さな田圃っぽい畦があり、その先に水車小屋があった。
水車はちゃんと動いてまわってて、近づいてみたらちゃんと筒を通して流れた水で動いてた!この水が奥の沢の水で、流れるのを見るときれいな水だった。へええ、春先には田を潤わすくらいの水が流れるのかなぁ。

水車の先には菖蒲園の池もあって、その先からまた彫刻が並んでて一気に公園の感じになった。アートですね。
そして片倉沢を渡った先の池は山登る前に見た池。なるほどここに奥の沢片と倉輪沢の水が流れ込んでるんだねと思えるような透けたきれいな水だった。
最後に彫刻広場の住吉池に戻ると、アオサギはシロサギ(ダイサギ)に変わっていた。こちらは寒く無さそうに元気に歩き廻って水中を啄んでた。
そして公園の入り口には「片倉城跡公園の湧水」という案内板も立ってて、「八王子湧水めぐり」の8つの内に選ばれていた。そう言えば行こうと思ってて思い出せないスポットは湧水スポットだったかも。丁度良かったのかも。
ところで、此処にはハッキリ室町時代に築城されたと書かれてた。江戸時代には南北東の三方が沼だったと伝えられてるそうだ。
でもなんかどうもあやしい。また城好きらしからぬ邪推がうかんできた。
なんか実はここは城にしたくなるようなおいしい地形のただの山なんじゃないかって思えてきた。
カタクリの花が咲く城っぽい山をカタクリ城とか呼んでたのが片倉城と呼ぶようになってあやふやな伝承だけが残って城跡とされちゃったとか。。
北条あたりがなーんかいつでも簡単に城にできそうだから少しだけ手を入れて取り敢えず神社を置いたとかさ。。
太平洋戦争中には高射砲陣地になってその時に随分と造成されたそうで、工兵的な演習とばかりに堀作ったりして更に城っぽくなっちゃったとかさ。。
なんて邪推も許されそうな歴史のはっきりしないおいしい城跡に思えた(いや、怒られるでしょ)。
そんな勝手な想像も含めて、とてもいい城跡だった。風もなくて暖かかったし、歩き回ってて楽しかった。
最後にさっきのシロサギが飛び立つのを見つつ、このまま車停めて来るときに見かけた近くの店に歩いて行ってみようかなと、表の渋滞した16号に出てみた。
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