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不動ヶ岡不動尊 總願寺

加須市不動岡の県道沿いにある寺院。市街ウロウロしてて境内の桜の木がチラリと見えてて気になってきてみた。神社かと思ったらお寺だった。でもオープンな印象で駐車場も停めやすかった。

駐車場からは横の赤い門をくぐって境内に入る。
その先の赤いお堂が大日堂。だけど、隣りに大きな不動堂というのがあり、その前に桜が咲いてて桜に包まれるように金色の山門があった。

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え?金色って珍しくない?そんなことない?知らないだけかな。お寺は滅多に寄らないからなぁ。全体を見ようと一度出て、前の道を渡って写真撮った。
派手派手というほどではなくいい感じに落ち着いた金色だけど、やっぱちょっと煩悩をくすぐるような妙な感じで面白く思えた。そして中の仁王像は白く見えた。

さて、不動堂でお参り。案内板には江戸時代天保年間に造られたお堂とあった。
お堂の左側のスロープを登って頭巾をかぶったびんずるさまの像を拝んだ。そして中央でまた拝むと、右脇のお守り売り場では来た来たとばかりに待ち構えられてたので、避けて左に戻ってそのまま縁側をまわってみた。

なにやら壁には卒塔婆みたいな板柱が立ち並んでて「年男」と名前が書かれてた。なにか奉納した人達かな?と見てみたら、デビィ夫人とか、里見浩太朗とか、長州力?大沢樹生?ビートきよし?なんだこれ?と不思議に思って見てまわった。(みんな二月の節分会で豆まきに来た人達だったようだ。でも夫人で年男ってなんかおかしいねw)

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そのままぐるりと縁側を周ると左側には渡り廊下が赤い本堂と繋がってて。そこら辺から桜がいい感じに見えた。
おもてに戻るともうお守りの所に人はおらず、その前あたりでゆっくり境内と桜を眺められた。
そして鳥よけの網がかぶさっててたけど何気に彫刻も凝ってた。

お堂の縁側から降りて、桜を見つつ境内をフラフラ。文化財の標柱が並んでたのをみると、どれも加須市指定有形文化財。県とかじゃないんだ。「倶利伽羅不動剣」という奉納品は見てみたいなぁと思ったけどね。
寺の由来も書かれてて、仁和2年(886)に弘法大師の甥の智證大師が刻んだ不動明王の像が長暦3年(1319)の大洪水でこの地に流れ着き、里人がお祀りしていたのを元和2年(1616)に高野山の総願上人が来てこの玉嶹山 總願寺を建立したそうな。参詣者多く関東三大不動明王のひとつだそうだ。(ふたつは成田山と高幡不動らしい、成田山しか知らなかった。。)

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桜は散り時とはいえまだまだ全然花が残っててイイ感じ。散った花びらで覆われた地面もイイ感じ。たまに写真撮りに来る人はちらほらいたけど人も少なく見やすくてイイ。
そういえば桜で気になって寄った所は今年はここだけだったね。まぁ、桜は車で通り抜ける並木が一番いいから混んでそうなスポットにはなかなか寄ろうとは思わないからね。

そういえば文化財で「芭蕉翁句碑」は不動堂の裏に「散蓮華模様青石塔婆」というのは大日堂の前にあって見れた。けど「黒門」も見れたのに見るの忘れてた。。(帰ってから調べたらこの「黒門」は忍城から移築された現存物だったそうだ、、悔しい)

駐車場に戻ったら、通りの前に見える店が気になったのでちょっと出てみた。
「五家賓」という名物を売る創業文久二年の「武蔵屋本店」という菓子店。「五家賓」って、、そういえばいつも見てるポータルサイトの記事、、、熊谷でした)で見たなぁと思い出して、一つ買ってみようかと店に入ってみた。

店のガラスの貼紙に120円というのがあったので個売りもあるのかと思ってたけど無かった。。ので、一番小さいパックの350円のを買ってみた。これはきな粉の菓子だからさすがに車内では開けられず持って帰って家で食べた。

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封を開けてみたら意外と一つ一つ小さく一口サイズで(うまい棒くらいのを想像してた)ほぼきな粉に埋まってた。車で開けなくてよかった。。
さっそく箸でつまんで食べてみたら、モロきな粉。芯は雷おこしみたいな感じを想像してたけど、ネチョッとはしておらず、かといってカリッともしておらず、よくわかんないけど食べやすいものでただただきな粉を味わうものだった。
多分子供の頃の自分なら大喜びで食べてただろうな。じじいの今の自分としては、まぁ悪くないけど正直面白味はなく「ふーん」って感じ。でも飽きずにペロリと食べちゃった。

この日の日誌

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うどん酒房 たぬき

ファイル 3650-1.jpg加須市諏訪の県道(旧国道)沿いにあるうどん居酒屋。

店を探して市街をぐるぐる廻ってて、この一本南の道の駅から出てきたところに大きな看板があって、他に見つからなけば最後には行ってみようと思ってた店。対向車側から来ちゃったけど店がそっち向きで暖簾がかかってるのが見えて安心して寄れた。

ファイル 3650-2.jpg店内は庵風で居酒屋らしいボックスの席とおひとりさまも気軽な壁向きのカウンター席もあった。
メニューを見ると、定食セットが充実してていろいろあってリーズナブル。家の近所か職場の近所にほしい店だと思った。
「赤もつ煮」というのが気になったけど、聞いたら辛いメニューだそうでやめて「自家製味噌もつ煮定食+冷やしたぬきうどん」のセットにした。

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うん、うどんはミニだけど加須うどんの幟のある店だけあってちゃんと手打ちのおいしいうどん。加須うどんてどういうのだったか覚えてなかったけど、武蔵野ほど重くないけど四角みのある手打ちで上州っぽいみずみずしさもある程よい中間って感じかな。これはミニだからかもしれないけど、麺は短めで食べやすかった。

そしてもつ煮も辛くなくていい味でおいしかった。

ここはいいね。午後休みがないなら寄りやすいしまた気軽に食べに来ようと思った。

この日の日誌

タグ:食:定 餐:麺 餐:煮

浮野の里

加須市北篠崎にある「昔ながらの武蔵野の田園風景を残す」という水の郷百選の自然公園。

加須市内は埼玉方面の定番コースで北側をよく通るし、中央の125号はよく通る帰り道だし、加須うどんで廻ったこともあって割と馴染みの所の印象だったけど、ごく最近地図見ててこの「浮野の里」を何気なく見かけて調べたら「武蔵野の昔ながらの田園風景」で、準絶滅危惧種の「ノウルシ」が自生してて四月中旬に花が咲くというので気になって来てみた。

ファイル 3649-1.jpg正直、道も細く案内も見かけず、自然公園というには区分けのはっきりしない郊外の過疎なところって印象で、駐車場の案内はなかったけど、ここ停めていいのかなって感じの整地されたトコに停めて歩いた。

まず、地図上で公園とされてた入り口にはちゃんと案内図が立ってたし、中に入ると東屋の前に「緑のトラスト保全第十号地 浮野の里」という概要の案内板もあった。江戸時代の新田開発の名残を留める地だそうだ。

そしてまず園内で見かけたのが堀の様でいて自然に馴染んだ池。ちょっとのぞき込んでみたら小魚が沢山泳ぎ回ってた。メダカかな?とか思いたいトコたけど、まぁどうせ外来種のカダヤシだろうなぁ、、と思って微妙な目で眺めた。(けど帰って調べたら、背に黒すじがあるのはメダカだそうで、此の小魚はニホンメダカ〔ミナミメダカ〕のようだ。アピールしてないってことは在来ではなく移殖種なのかな)

あと周りでは鳥も囀ってて、頭上を見上げたらシジュウカラがすぐ見つかった。

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それ以外にも案内板が立ってて、池の間にある土塁のような「クヌギ並木」の道は、天明時代の浅間山噴火(1783)の影響で起きた大洪水後に築いた堤防の名残だそうだ。
いい雰囲気だったけど、まずはそこは通らずに、その先に木道の遊歩道を見かけたのでそっちに行った。

散策木道は湿原と池の間に延びていて、池の案内も立ってた。
「田堀」と言って、水田の収穫運搬を舟で行い、掘った土で堤防を盛った農耕文化遺産だそうだ。へええこういうのは初めて見たかも。花の自生する公園ってだけの興味で来たけどそれ以上の興味深いスポットだった。
っていうかそもそも花の自生も湿原になってるとは知らなかった。
なんかワクワクするんだよね湿原の木道って。

ってわけで木道を進むとノウルシの群生地。鮮やかな黄色でキレイに一面咲いていた。

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ノウルシは割くと漆のような白い液が出るという毒草だそうだ。昔はこんな感じで普通にあちこちで咲いてたんだろうけど、今では準絶滅危惧種で貴重な風景。キレイだねぇ。(同じ埼玉では浦和の荒川のサクラソウ自生地でサクラソウを押しのけて生えまくって嫌われてるとか、、)
花は黄色い苞葉の中に小さく本体があるアジサイみたいな花。つまり黄色い部分は殆ど葉っぱだったりする。そして香りはなんとも変な匂いで、嫌な感じではないんだけどなんかちょっと独特だった。

一面のノウルシの群生は田堀の水路までで、木道の遊歩道は直角に折れて奥の側から見返せた。
水路沿いに咲いたノウルシを見つつ、また広い群生を見返しつつゆっくり進んだ。

そして端の芦原の手前で折れて橋で渡れた。
その水路の先を見ると枯れ芦に亀が見えた。首に赤いのが見えたので外来種のミドリガメだ。
橋から見る水面にも小魚(カダヤシだと思い込んでたメダカ)の群れが戯れてて、草はともかく水辺の生き物は外来種ばかりだわ、、とか思ってたら、その先ではカエルを見つけた。鳴き声が聞こえてたので探してはいたもののどうせウシガエルなんだろうなと思ってた、ら、在来種のダルマガエル!やった、今年初のお目見えのカエルは国産だった。かっこいいフォルム。凛々しい姿。やっぱカエルは国産だわ。と喜んだ。

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さて、その奥の方の野原にはノウルシは咲いてなくてガラガラの原っぱだったけど、ところどころ普通のよくある草花が花を咲かせていた。アカツメクサにカラスノエンドウ、イヌノフグリ。中学校の写生会で描かされた憶えのある身近な雑草だ。別にありがたい花でもないんだけどよく見れば綺麗で可愛いし、面白味のない当たり前の野草の方が原風景なんだよねー。
なーんて思いながらのんびり歩いてたら端に案内板が立ってて、ここは「花菖蒲園」だそうで三千株の花菖蒲を植えて六月に「あやめ祭り」が開催されてるそうだ。 あれ?原風景とは、、

ここで散策木道はおわり。橋で田堀を渡って「クヌギ並木」の堤の道を折り返した。
田堀の水路に挟まれて面白い景色。上から見下すと倒木に大きなサルノコシカケが見えた。
ノウルシの反対側も池の先は広い原っぱになってて、その先の木に猛禽類っぽい鳥が留まったのが見えたからカメラ思い切りズームで撮ってみた。これは胸が白いからノスリかな。凛々しい。

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一旦入口に戻った後にケンケン声がする方へ行ってみたら、いましたいました綺麗なキジ。よく鳴くし大きいから見つけやすい鳥でもある。「雉も鳴かずば撃たれまい」ってやつだね。国鳥でもある。
芦原から木の枝に素早く逃げ回る小鳥は、写真に撮れそうな位置で見かけてもなかなかじっとしてなくてやっと一枚だけ撮れた。腹が黄色いからアオジかな。

そんなかんじで鳥を見つつ、崩れた木のベンチに生えたキノコとか見つつ、フラフラしてまた入口まで戻って、また散策木道を二周目。
今度は写真とか気にせずにゆっくり雰囲気を味わおうと思ってたけど、カエルだけは見逃すまいと足元を気にしてまわった。 ら、なにやら女性下着が落ちてた。。なんなん。

ファイル 3649-6.jpgまた入り口付近に戻って大きな案内板の地図をじっくり見てみた。ら、もっと範囲は広くてクヌギ並木ももっと先まで続いてるのに気づいた。まぁそっちはあまり惹かれなかったんだけど、逆の南側には「トキソウ自生地」というのがあってそれは気になった。
トキソウというのは平野で見ることは殆どない高山植物で、ここが中心で「加須の浮野とその植物」として埼玉の天然記念物に指定されてるそうな。 あ、野漆は脇役だったのね。。

ってわけで、そっちには歩いてみた。
公園の柵を出て前の道を少し戻るとちゃんと天然記念物「浮野とその植物」の石柱が立ってた。
そこからちょっと怪しいコンクリの道を進むと、すぐ先の民家の林の先でさらに怪しい未舗装の畦道になった。けど、そこから折れた先に案内板が立ってるのが見えてたのでそこまでは歩いた。

ここから見える網で囲まれた所がその「トキソウ自生地」のようだ。けど、近寄れる道はなく遠目に見るだけ?
案内板の先に進んで(そもそも案内板からして道側に向いて無くて離れてる上に色褪せてて読みづらい、、というか読ませるつもりないだろこれ)

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田圃っぽい湿原の端にあった細いコンクリ部を歩いて囲いの部分に近寄ってみたけど、その手前は田堀の水路になってて覗けるどころか遠目な距離で、何が生えてるのか見えなかった。。
まぁ近くで見たとしても花でも咲いてなきゃ何がなんだかだろうけどね(花が咲くのはネットに寄れば七月頃とか)。これがしっかり保護されているという事かなと納得して来た道を戻った。

戻る道ではホトケノザが咲いていた。とりあえず色々見れたし思い切りローカルでのんびり歩けて気分いい散歩ができた。


この日の日誌

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