野田市関宿三軒家にある千葉県立博物館。
十一年ぶり二度目の立ち寄り。点景を始めた初年に来た場所で、ジオラマ模型が充実してて見やすく楽しく分かりやすく気に入った博物館。それまでは滅多に足が向かなかった博物館や資料館などにもジオラマ模型を期待して寄るようになった大元の場所である。
その後もまたもう一度行きたいなとは思ってたものの、北方向へのドライブの定番の道の千葉を出る玄関みたいな関宿で早々に寄り道という事はなく、帰りも夕方から夜だし、小回りの日でもなかなか開いてる時間には来れなかった。
で、コロナで千葉を出ないつもりの今年二月にやっと来てみたんだけど、休館。。
それでダメかと思いつつ今日また来てみたら、やってた!
休館は緊急事態宣言の間の三月までだけだったらしい。(野田市は現在「まん延防止等重点措置」指定中なんだけどね、、、)
さてさて、11年前に来た時は感激したスポットだけど、その後いくつかの博物館資料館を見てジオラマ模型も見てきた今では、どんな感じでしょうねーと期待半分で入館。
ところで入口にマンホールのパネルがあったからマンホールカード配ってるのかな?と思って来てみたら。これはカードになってないそうな。。まぎらわしいw
まずは当博物館の建物の模型を見つつ入ってロビー。
そうそう展示室の入口と出口の上にまずジオラマ。境河岸の風景と河川工事の様子。これ、見上げるだけでジックリ見れないのに細かい作りで勿体ない。けど下から覗くと水中から見上げるアングルで覗けるのは面白い。贅沢で余裕な配置である。早速わくわくさせられた。
そして中央にある往時の関宿城と川と近隣範囲の大きなジオラマをじっくり見てから、200円の入館券を買って中に進んだ。
写真は?と聞くと全面OKだそうだ。(あれ?前はダメだったような。。)「動画もOK」だとか。
ってわけで、撮りまくってまわった。
展示内容はつまり利根川と江戸川の治水と交通の歴史。
まず最初の治水の展示室「房総の河川 近現代」は、いきなり実物大に再現された水塚で始まった。そしてその水塚の説明の模型はボタンで光らすと曇りガラスで水没するのが判るギミック。おお、さすが。
その後も治水工事堤防工事などのジオラマがちょこちょこあって、細かくて、やっぱり思ってた通りの所だった。
手賀沼や印旛沼の干拓の変遷なども出てて、その他にも消えてなくなった沼が光る地図とかあって、坂東市あたりにあった「飯沼」は知ってたけど、現利根川流域の関宿から取手まで大きな「藺沼」というのがあったのは知らなかった。っていうかつまりそれは「香取の海」の奥の名残の沼地帯ってことかな?
関宿の川の関のジオラマも細かく大きくゆっくり見つつ、お気に入りはその後の二つ。
土俵を積んでの堤防造成作業のジオラマは人に動きがあり、弁当箱とかあったり、水の感じもリアルでよく見ると水中に鯉のような魚が泳いでいた。
もうひとつは石を積んだ「笈牛」で水流を調整するジオラマ。こっちも細かく、特に水の流れや飛沫がリアルで水中の石や魚も細かくて見応えあり。やっぱここのジオラマはいいわ。単に風景だけではなく作業する人達や端々までの表現が良くドラマというかリアルに動きを感じる。
上にあがるエレベーターは取り敢えずスルーして先に次の第三展示室の「河川交通と伝統産業」を見た。
ここには中央に1/3模型の高瀬舟が帆を拡げてドーンとあり、両脇に蔵と宿屋風の展示室が別れて並んでた。
この大きな高瀬舟にも二人だけだけど動きリアルな船員が乗ってて魅了。ふつうこのサイズの人形模型はなかなか乗ってる事ないよね。船の大きさも感じられるし、その後に見た河岸の俵の積込みのジオラマでもサイズ感が判りやすかった。江戸時代の利根川はこういう船が沢山行き来してたんだなぁ。
端のコーナーには明治の汽船「通運丸」の1/25模型があった。これは定期貨客船(いわゆるポンポン船)で、関宿から両国まで七時間、逆流の復路は十時間かけて行き来してたそうな。(ここにも人が乗っててほしかった。。)
河岸の賑わいや江戸川沿いの産業や流通などの資料を見て、出口手前で折り返してまた高瀬舟を見つつエレベーターに戻って乗った。
まぁ一応展望室にあがるかな、と最上階に上がって展望。ここは前回の点景でも写真撮っててあげてたと思うけどまぁ一応。
天守閣のような展望室で「ああ、そういえば城型の博物館だったけ」と思い出した。今は模型だけど前回は城としての興味の方が強かったと思う。
展望はもやーっとして山は全然見えず、いつもドライブ帰りにライトアップした此処を見ながら通る境大橋も意外と遠く、あまりよく見えなかった。
逆に東にできた新参者の圏央道はよく見えた。(11年前は橋桁くらいしかなかったんじゃないかな)
西、北、東、南とサラリと眺めて階段を下った。
下の三階「多目的室」には企画のパネル展「船の旅」という展示があった。
これは江戸時代の三社詣の船旅を当時のガイドブック(名所図会)の挿絵版画と共に解説。江戸を出た人は行徳から木下街道を歩き、木下で舟に乗って香取神宮-息栖神宮-鹿島神宮の東国三社を巡って三日ほどで帰るという旅が流行ったらしい。へー。
二階の「企画展示室」には常設っぽい「関宿藩や関宿に関する展示」があった。
関宿藩の領地って殆どが利根川の河向いで今の茨城県側だったんだねぇ。ああ、それで河岸の風景のジオラマはみんな境河岸なんだ。千葉県立の博物館なのに茨城県側の風景が多いなぁとか思ってたけど、捻じ曲げてなくて感心。
そして充分満足で外に出た。
一応模擬天守の外観も見とこうかな、、と思って裏に歩いた。途中、さりげなくマンホールがあった。使いこまれてて自然だった。
博物館の裏には低い塀で囲われた日本庭園があり、門を入って裏からの模擬天守を眺めた。
11年前には模擬天守には否定的だったけど、今では丸くなって嫌悪感もなく、史実通り江戸城の富士見櫓を模して造られた模擬関宿城は、多分本来の城の場所よりも見栄えいい場所でいい感じで建ってるし、連郭式風に続く御殿風な博物館との纏まりも悪くなく思えた。
っていうか木々が繁って半分隠れてたのと、その木々に毛虫が多くて落ち着かないトコだったし、どこがどう日本庭園なんだか?という感じのトコだった。
日本庭園の外に出て水辺公園を歩いたりもしたけど、実はこの先の利根川と江戸川の河の叉までの岬部分は何の標示もないけど茨城県。公園の道までは千葉かなー、、とか思って歩いてたけど、知らず知らず県境を越えてました。うっかりうっかりw 川を眺めて車に戻った。
いやーしかし今回は写真多い分、文はシンプルに簡単にアップするつもりだったけどダメだなぁ。と反省。
ちなみに前回の点景→
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