印西市草深にある無蓋掩体壕跡。
先々月、よく通る道の近くにいい飲食店とかないかなーとGoogleマップを見てて見付けて気になってたトコで、帰り道にでも寄ろうと思ってたけど、毎回ここらを通る時はもう夕方日が暮れるくらいなので覚えてはいたけど通過してた。
そして先月、柏の葉で無蓋掩体壕を見逃したこともあり、興味増したりして少しまた調べたりしてた。
で、来てみたら新興住宅地の中にあって、ちゃんと柵で囲まれて草木刈られて整備されて案内板も立ってて驚いた。
戦争史跡として残すようだ。
戦時中のここら千葉北総地域には幾つもの首都防空用の陸軍飛行場があり、ここもそのひとつで、元は通信省航空局の搭乗員養成所だったそうだ。それが戦時中に陸軍基地として接収され(元々そういう流用目的での建設だったんだろうね)陸軍航空隊の基地飛行場として使われ、その飛行場の掩体壕(空襲よけに飛行機を分散させて保管するための壕)も急遽作られ点在してて、印旛飛行場の周りで現在でも残っているのがこの一基だそうだ。
ちなみに印旛陸軍飛行場はこの草深から牧之原一帯の広い敷地で464号の向かいのジョイフル本田までも敷地だったらしい。(千葉北道路と北総鉄道の掘割の溝はもちろん無かった)
横幅20m高さ3mの馬蹄形の土塁が盛られただけの無蓋掩体壕。小型機一機格納。
屋根なくて隠れるのかな?とも思うけど、小型戦闘機の高さは屠龍で3.7m隼が3.25m。。まぁ上空からなら接近しなけりゃわからないくらいなのかなぁ。(無蓋掩体壕は隠すというより爆撃時の爆風から守るものらしい)
やっぱコンクリで覆った有蓋掩体壕に比べるとパッとしないけど、キレイに丸々残ってこうして開けて全体を見れるのは素晴らしい。(っていうか柏の森の中の掩体壕はさらにパッとしないかもね。。)
横にまわって周りも見てみた。
壕の周りは堀のように掘られて窪んでた。周りを掘った土を盛ったってことなのか、爆風よけの構造ということなのか、よくわからないけど見てまわってたら、やや畝堀のような北条っぽいような、、なんて城跡と混合しつつ、ああそうじゃなかったと苦笑。
近隣の住宅地の子供たちは中に入って走りまわりたいだろうなぁー、、とか思いながら半周して折り返した。(この近くの公園には、この掩体壕の土塁と飛行機の形を模した遊び場があるそうだ。なるほど、入りこまないでそっちに行けと)
ちなみに戦時中の近隣の陸軍飛行場はここ印旛の他に柏、松戸、藤ヶ谷にあり、どれも日中戦争に突入してから造られたばかりのもの。
柏は最初から陸軍の飛行場で昭和13年に建設、松戸は印旛と同じく逓信省の養成所として15年に建設。印旛は16年建設。藤ヶ谷はゴルフ場からの転用で20年建設。
そのうち飛行場として残ったのは藤ヶ谷だけで、米軍の接収を経て現在は海自の下総航空基地になっている。
松戸はその一部が陸自の駐屯地になってて、格納庫とかは基地内に残っているらしいけど滑走路はもうない。
もう基地でもなんでもなく開発で埋もれた柏と印旛の双方にだけ、無蓋掩体壕が残っているのはちょっと皮肉な気もした。