十日町市峠、星峠集落にある「大地の芸術祭」参加作品。
大地の芸術祭ってそういえば十日町の道の駅に案内があったな。
3年に1度の開催だそうで、そういえばちょうど三年前にも十日町通ってて色んなオブジェを里山で見かけたりしたなぁ(→2009/08/22)
「脱皮する家」は内容全然知らなかったけど、ここに来る間の案内で見かけまくってて、その名前が気になって来てみた。
オブジェな感じの家っぽいものかな?とか思ってた。。
ら、
そうではなくて民家だった。。あれ?
なんか有料らしい(\500)、、ちょっと躊躇してたら入口に座ってた若い人達に「どうぞ中を見て下さい」と促されて、ためらいつつも中に入った。
ら、
おお!これは。
壁や柱を鑿で削った版画の世界のような屋内になってた。
はーなるほど。 いや、なるほどじゃないけど面白かった。
中では管理してるおじさんが丁寧に案内してくれた。
廃屋になってた築百五十年の古民家を「日大学芸術学部彫刻コース」有志の大学生(さっき入口で声かけられた若者達らしい)が毎週末に都内から通って二年半かけてリメイクした家屋だそうで、掘って生まれ変わるから「脱皮する家」だそうだ。
正直いえば名前からのイメージで、ズルッと袋から剥けてツルッとした外見の家みたいなのを想像してたけど、コレは意外。
かえってこの家屋本来の造形・佇まいをまじまじと見せてくれる演出って感じで楽しく拝見。
いやぁー美術とか芸術とかってちゃんと勉強してないし、良くは分からないけど、「これはイイ」と感じられた。
っていうか、この家自体、変な間取りの面白い家屋。
奥の部屋に階段があって二階の屋根裏的物置があったり、玄関の上に張り出した二階が日当たりイイ奥の間になってたり(気が付けばこの辺りの家はみんなそういう風に玄関の上が張り出してた)。
そして天上の柱の木の形も組み方もよく見える高い藁葺き屋根の姿。
でもこれは写真にするとよく分からないね。。
実際に目で見てると凄く木版画のコントラストが良く、古民家のしっとりした感じが浮き彫りになってた。
多分、普通にちゃんと見ても風土色あり趣ある家屋なんだろうけど、それに美術的な手を加えることによってより一層造形の良さを面白く見せてくれている感じが良かった。
素材の良さを十二分に引き出した料理みたいな感じ?これはいいね。楽しく部屋を見てまわった。
たっぷり見て表に出た。
外では、また次の作品の構想の為に集まってたという大学生の人達が畑を耕してた。
(若い人みんなに挨拶されて気分よかったw)
すぐ先にもうひとつ「コロッケハウス」なる第二の作品があって、そちらも拝見。
こちらは「脱皮」とは真逆の印象、金属をふきつけられた家だそうだ。
衣を纏ったってことで「コロッケ」だそうだけど、んー、コロッケねぇ。。油っぽさは無いよねぇ。
ガランと開け放たれた家は剥製のような薫製のような冷たさと終息感ある空間。
居間(らしき部屋)の奥に階段があって二階に上がれた。っていうかこの屋敷も変な間取りだなぁ。。
二階は風通しのイイ眺めもイイ空間。
骸骨の肋骨みたいな印象の柱で、コレはコレでまたこの家屋の面白さを醸し出した感じだった。
(この家は元々は大きな屋敷の玄関部を改築してたもので、元の大屋敷は取り壊し比較的新しい部分だけが残ってたものということで、こんな変な間取りらしい)
ちょっと休憩するにはいい空間。
目の前の脱皮する家を眺めながら、畑仕事をする女子大生を眺めながら風にあたってのんびりした。
ふーん。おもしろいねぇ。
奇抜で難しそうなオブジェのアートより、その土地の歴史を培った屋敷を魅せる形の芸術には好感が持てて楽しめた。
ちなみに、「大地の芸術祭」の開催は7月からだとか。
この家々は芸術祭にかかわらずずっと建ってるけど、その時だけのオブジェ的な作品とかもこれから並び始めるらしい。
んーこんな感じで見て面白ければ、是非また来て見て回りたいなぁと思えた。
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