二本松市郭内にある国の史跡の山城跡。
公園としては「霞ケ城公園」という。
幕末の戊申の役で激しい攻防のあった城。やっぱ象徴だけでなく実戦の舞台となった城は感慨深いよね。
ちょうど朝焼けが朱色に照らしてて炎に包まれたような雰囲気だった。
まずは二本松少年隊の戦う姿の像を見て入城。
二本松少年隊はその戦いで散った12歳から17歳の少年兵達、會津の白虎隊の方が知名度が高いけど、それより年少が多く自刀より負傷で散ったので尊く思える。
さて、まずは復元された箕輪門をくぐって入城。この門と櫓がこの城唯一の復元建造物だったかな。
通り抜けるとその先は石垣の上から何本もの松が枝垂れていた。「箕輪門のアカマツ」と案内板が立っていて、樹齢350年の藩政時代からある松だそうだ。おーおーすごいな。二本松どころじゃなくて沢山松じゃないか。
箕輪門の上が三ノ丸の広場になっている。
ここは桜祭りとかするみたいで提灯とか残っていたけど、桜は完全に散ってて一輪も残ってなかった。
さて、本丸はどっちだ?と案内図をみると階段の上に建物が見えた。あれ?御殿も復元してるんだっけ?と登ってみた。
「本坂御殿(姫御殿)」とあったけど、建物はとくに関係ない公園管理用の物っぽかった。
振り返ると朝日が眩しくイイ眺めだった。
そんな本坂御殿跡で半分くらい登ったかな、、なんて気になってたけど、とんでもなかった。それは序の口で、しっかり山登りの城だった。。
紫のかわいい花が咲くのを見ながら、えっちらおっちら登り「硝煙藏」――「藩士自刀の碑」――「日陰の井戸」――「大石垣」――「蔵屋敷」――「乙森」と休み休み登って、やっと大きく見えた本丸の石垣は立派で感激した。
これはキレイに復元された石垣。しっかり山の頂上に聳えててカッコイイ!
そして登ると奥に天守台が見え、その天守台の先にまだ頭を白くした安達太良山がきれいに見えた。
これはいい眺め!しかも山の頂点で気持ちイイ。
いやー運動不足でキツかったけど、これは登ってきてよかった。(っていうか腰が痛かったのはもうすっかり忘却)
風も緩やかで朝日が心地よく清々しすぎて嬉しくなった。
そして表の南東側には二本松市街が広く見渡せて、朝日が降り注いでいた。
城郭は北に天守台があって、西櫓台、東櫓台と続いていた。
しばらく眺めてのんびりしてて、ゴミを拾いながら登ってきたボランティアの人と挨拶。「ここには天守があったんですか?」と質問してみたら、天守はなく屋敷のような物が建ってたらしいとのこと、「いやあ、この眺めなら屋敷で充分ですよね」と話はずんで、城の話や二本松の話、道の駅の話とか旅行の話とかまで聞けてゆっくりできた。朝から丁寧にありがとうございました。
25分ものんびりして本丸城郭からおりた。
そしてその石垣の周りをひとまわり。グルッと回って、今度は裏の北側から下ってみた。
築城初期の旧時代のままの石垣とか、整備する以前から露出した状態のままの二段石垣とかいろいろ見どころをぬって下り、「とっくり井戸」から「搦手門跡」の石垣もかっこよかった。
「新城館」という城代屋敷跡からは顕彰碑や歌碑が順に置かれ、飽きさせない城跡だった。
中間まで下りて、二合田用水という350年前に安達太良山から水を引いた用水路が道脇を流れると、そこから下は様相変わって水と緑の庭園の雰囲気になった。
水路は分岐して幾つもの滝となり池にそそいでいた。
小さな丹羽神社はさりげなかったけど、何気に力士像が並んでてかわいかった。
池を見下ろしながら緑の中を下ると「霞ヶ城の傘松」という天然記念樹があった。
見事なほどにきれいな傘の形の松で、推定樹齢300年、樹高4.5mで傘は14mの広がりだそうだ。へー、なんか本当に松の城だなぁぁ。
その近くには推定樹齢400年のイロハカエデとかもあって小さな花の蕾をつけていた。秋に来ても良さそうだ。
そして茅葺屋根の茶室小屋「洗心亭」というのがあった。
見た目新しいから公園整備で造ったものかな、、なんて思ってたけど、実は移築改修された現存物だそうだ!おお!
なんでも庭園内で崖崩れがあって城外に移築していたために戊辰の戦火から逃れたそうだ。へええ。
と、見所多くゆっくり歩いて下って楽しかった。(庭園だけでも別項目にしようか迷った)
何より中腹からの用水路を生かした滝や池の瑞々しさが気持ち良く、朝日と緑に包まれていい散歩になった。
駐車場に戻ったのは7時。二時間も歩き回ってた。
福島県内だと会津ばかりが注目されるけど、二本松城はそれ以上の好印象ですごくよかった。来てよかった。
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