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玉津島神社

ファイル 3444-1.jpg和歌山市和歌浦中にある神社。

Uターンするためのつもりで入った駐車場だったけど、なんか雰囲気良かったのと、立ってる幟には「聖武天皇行幸千三百年」とあり、石柱には「和歌三神」とあって歴史ある特別な場所って感じしたので興味持って車を停めて降りて歩いてみた。

鳥居の横の由来には神代以前の創立とあった。御祭神は天照の妹の稚日女尊と神功皇后、後に衣通姫を合祀したそうだ。

赤い鳥居の裏の赤い塀は「小野小町 袖掛の塀」とあった。この塀が平安時代のもの?まさかね。

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お堂のような大きな拝殿にお参り。その前の干支のウサギの置物がかわいらしかった。

そしていつものように本殿を拝見しようかと横にまわると、少し小高くなってて、すぐ横に天然記念物「根上り松(鶴松)」というのがあった。大正時代に移転保存したものだそうだけど、こういう状態でも天然記念物なの?

その先に歌碑のある広場があったけど、本殿はもっと奥の様で拝見できなかった。
岩の上に段が続いてて展望台になってた。

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上って見えたのは裏にあった庭園らしき工事現場。取り壊してるのか修復しているのか分からないけどせっかくある展望台なのでいい眺めであってほしかった。
工事現場の先にはさっき通ってきた道と川が見え、右手にはカッコいい松の木が立っていた。これはさっき通って来た時にもカッコいいと感じてたので、ここで見下せて良かった。その松の木の上の手前の木にカッコいい鳥が停まってた。トンビだろうけどね。かっこいいんだよね。

拝殿前に戻って、んじゃ左側からならどうかと逆側の裏にまわってみた。
こっちは社務所とかの裏で狭めで日陰で赤い塀でやっぱち本殿は見えなかったけど、こんなとこに「絶景の宝庫 和歌の浦」の案内があり「奠供山(てんぐやま)」という裏の山が解説されていた。
奈良時代の神亀元年(724)に聖武天皇が訪れた景勝地だそうで、その先にその奠供山への登り口があるようなので進んでみた。

なんか庭の裏口へのような地味な道をまわると登山口があった。パッと見急勾配でちょっと怯んだけど、頂上まで距離はない筈だし極端な標高でもないだろうと思って登ってみた。

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ずっと続く勾配にうへぇと思ったけど、一回折り返すだけのほぼまっすぐな登りだったので焦らずゆっくり登った。石の段もしっかりしてて登りやすかった。

そして頂上は広めで平らで、爽やかな松林の先に和歌浦の海が見えた。
これはなるほどいい眺め。登ってきて良かった。

その展望台に「望海楼遺址碑」という石碑と案内があった。
望海楼は、天平神護元年(765)に称徳天皇の展望の為に造営された建物だそうで、石碑は文化10年(1813)に紀州10代藩主の命で麓の浜に建立し、明治33年(1900)に明治天皇が連合艦隊を率いて来泊した際にお召艦から見えるようにとこの頂上に移したんだそうだ。1900年の連合艦隊かぁ、、日露戦争前でまだ三笠が加わる寸前かなぁ。大正時代の不老橋の眺めの古写真というのがあったけど、その来泊した連合艦隊の想像図とか描いてほしいなぁ。

歴史はともあれいい眺め。その大正の石橋の不労橋もよく見えたし、行こうと思ってた片男波の砂嘴もよく見えた。
この海に長く横たわった砂嘴こそが天の橋立のような景勝地「和歌の浦」だとばかり思ってたけど、そうではなくて(雑賀崎まで含めて)ここら辺一帯全体が和歌の浦だったのね。
昔はここらは干潟の海でこの奠供山は島だったらしい。六つの岩の小島の並ぶ景勝地、天橋立というより松島って感じかな。

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そして雑賀崎の方も見えたし、海にはポッカリ形よく見えたのは沖ノ島かな。
っていうか、上から見てるからか波が全然なくて静かすぎる海面に船が浮いてて、写真にしたら加工したようなわざとらしさを感じるくらいいい感じ。
ゆっくり眺めた。

下りは石段の方ではなくてぐるっと回る森の道で下ってみた。こっちの方が勾配はやや緩めかな。
その道の途中の元の石段の道に交差するちょこっと手前で、裏から本殿が窺えた。ああ、拝殿より高い所にあるのね。屋根しか見えなかったけど、立派な千木と鰹木に萱葺の屋根で立派だった。

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石段を下りきって、奠供山登山口のトコの読んでなかった案内板を見てみると、称徳天皇行幸の望海楼は南麓にあり、頂上に拝所を作ったのは江戸時代の10代藩主だったようだ。準繰りに登っていったのね。
面白かったのは明治43年(1910)に当時東洋一と称された30mの昇降機が設置されてたという写真。逆にこれ景観を邪魔してそうだけどエレベーターで登れるなら楽でいいよなぁ。(昔のエレベーターなんて怖そうだけどw)

ってわけで、神社境内を出て駐車場に戻る前に、エレベーターなんてどこら辺にあったんだろうかとちょっと裏に歩いてみた。
来る時に通った裏の県道に出て奠供山の岩山に歩いてみた。
さっき境内裏の展望台から見えたカッコいい松を見つつ、その背の岩山を見上げて、ここら辺に一気に登るエレベーターねぇ。。と想像しつつ眺めた。
ちなみにかっこいい松は名前とか付いてなかった。

なんか、図らずも和歌の浦の中心的な所をたっぷりと楽しめて歩けて大満足だった。


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