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穴地獄


中之条町入山の奥草津休暇村(チャツボミゴケ公園)にある源泉地帯。

この「点景」のタグでなかなか件数が増えない項目が幾つかあって、なかんずく「地獄」のタグは別府と恐山と川原毛で打ち止め状態。
他に「○○地獄」って名の付く場所は無いもんかな、、と調べてみてもなかなか見つからないもんで、あとは雲仙くらいかな、、とか思ってた。
そんな中みつけたのがこの「穴地獄」。
しかも関東地方。
かててくわえて「チャツボミゴケ」という珍しい苔の群生地だそうで、興味持ってきてみた。

で、来てみたら「奥草津休暇村」という名前はなくそのまんま「チャツボミゴケ公園」と言う名になってた。(今年から運営が町営になって代わったらしい)
まずはビジターセンター代わりの管理事務所で利用者協力金¥200払う。

ファイル 683-1.jpg

駐車場から歩くと日陰のヨツバヒヨドリの花には蝶が群がってた。
アサギマダラだ。長い距離を飛んで渡る蝶で。久米島でも沢山見たなぁ。一生懸命花を吸ってて近寄っても逃げなかった。

そして沢に沿った広い道を歩くと、あちこちに滝が見えてイイ景色だった。

その先に「穴地獄」!
っていうか小滝の沢がせせらいで見た目爽やかすぎて地獄っぽくなーい、、むしろ天国のような、、
けど、こんな景色なのにバッチリ硫黄臭が立ちこめててナルホド地獄なのかも。

ファイル 683-2.jpg

せせらぎの水は硫酸酸性泉で強酸性。
さらに良くみると、不気味なほど丸々ホンワカした(ナウシカの粘菌のような)チャツボミゴケは若干枯れて茶黒くなってる部分が多く(事務所の人曰く「今は苔の紅葉の季節」なんだそうだ)異様な景色でおもしろかった。
そういえば何故かトンボが凄く多かった。トンボは強酸性でも平気なのかな?

このチャツボミゴケは強酸性の水辺にだけ生える苔で、本州では此処にしか自生してないそうだ。
実はこのチャツボミゴケをみるなら、キレイな緑になる秋以降がイイ季節らしい。
紅葉の中に濃い緑の苔地帯が際立って異様だったり、雪が降り始めて周りが白くなってもここだけ青々とした苔地帯で異様だそうだ。

ファイル 683-3.jpg

穴地獄に架かる木道を歩いて回った。
奥の方はあちこちでブクブクボコボコと源泉吹き出してて、おもしろかった。
白色沈殿で白くなった流れの筋も多くなかなか地獄。
穴地獄というのはこの摺鉢状の窪んだ谷間一体の俗称だそうで、昔はもっと穴っぽい地形だったそうだ。(この地を管理してた鉄鋼メーカーが採掘で壊してしまったらしい)

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どんだけ熱くてどんだけ強酸なのかと指の先だけ水面に付けてみたら、指紋が消えた!!、、なんて事は無く、火傷もしない温い水だった。

ファイル 683-5.jpgやっぱり地獄っぽくない爽やかな源泉地って感じだよな。
地獄というより天国。気分よく歩いて回れた。

ってわけでチャツボミゴケの無い少し下流で、手チャポ。
んーやっぱ足チャポ。でも冷たくなくて温いから気持ちよくはなかった。

ファイル 683-6.jpg穴地獄はトンボだらけだったけど少し戻るとチョウだらけだった。

色んなチョウがヒラヒラ舞って、道端に涌いた水を飲んでたりした。

写真に撮れたのは、ヒョウモンチョウとヒオドシチョウとイチモンジチョウとベニシジミ。
この子らは素早く逃げる。けど、こっちがジッとしてるとすぐ油断して近づいてくるので少ししゃがんで眺めたりした。

なんだかんだ一時間くらいのんびり歩いて(ほとんど蝶だけど)車に戻った。

ちょっとオマケで帰り際、また管理事務所に来た。
その前で蒸してたトウモロコシを買って食べた。
行きに事務所に来たときにおじさんに「試食どうぞ」って貰ったのがおいしかったのだ。

ファイル 683-7.jpgおじさんに穴地獄とかの話を聞きながら(今日は珍しいくらい空いてヒマだったそうだ)
小型犬に吠えられながらww甘いトウモロコシをポリポリ食べた。

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