落ち延びた武田信玄の弟、信綱の子孫の屋敷。
この地の所縁ある寺を頼って落ちてずっと此処で静かに暮らしたそうだ。
とはいえ、地域の名士として肝煎という立派な役についてこうして大きな屋敷に住んでいたんだからさすがだよね。
この屋敷は築二百年以上のものらしい。
そういえば前回の能登半島に来た時は大きな庄屋屋敷を見たなぁ。
能登と言えば屋敷かな。この屋敷も大きく立派。
¥210払って中に入ったら「ガイドいりますか?」と聞かれたので「お願いします」と案内付きで見て回れた。
昭和四十六年までは現役で武田家末裔の御家族が暮らしてた屋敷だそうだ。
面白いのは天井、吹き抜けではなく編んで組んだ天井があってこの地域の家の特徴らしい。
屋根裏は物置だけど、来客があった時は見張り用に人を忍ばせる造りだそうだ。
落ちて来た大名の筋だから用心は抜かりなかったようだ。
囲炉裏も立派で吊り下げられた木の碇がでかかった。
でもこんな天井で火を焚いたら煙だらけになっちゃわないかな?と思ってたら、お勝手の土間の脇の囲炉裏は火を焚いて実演してた。
囲炉裏係の人に話を聞くと、ちゃんと煙の抜け道が開いてて屋根の頂点が自然の換気口になってた。おおなるほど凄いなぁ。
外に出て話は屋根全体に広がった。
この藁葺き屋根は去年大掛かりな作業で葺き替えられたばかりの物なんだそうだ。なるほど整ってカッコイイ屋根だ。
天辺の通気口の両端には「水」と「雲」と掘られてた。
庭も見て回れた。
裏庭の池には大きな殿様蛙が群れて浮いていた。
縁側の正面の広い庭はちょっと丘になっていて屋敷がよくみえ、また森のように樹が繁り涼しかった。
さっきとはまた別種のカエル(雨蛙?)がピョンピョン戯れてた。