青森市柳川にある記念資料館。
青森港に固定され静態保存された青函連絡船の船内を部分改装して造られた資料館。
「青函連絡船」は青森から函館までの津軽海峡を渡る船。駅から港に延びる線路の先に接続して列車を乗せて渡る鉄道連絡船で、明治の末から昭和の末まで就役してた北海道への大動脈。子供のころの自分は列車ごと載せて渡る船というのが輸送船めいてて空母のようなカッコよさで憧れたなぁ。てっきり電車に乗ったまま船に乗るもんだと勘違いしてたけど、乗客は駅で降りて乗船して渡ってまた駅で乗ってたそうだ。
そんな鉄道時代の憧れの船の実物、煙突のJNRの国鉄マークが懐かしかった。
外装はさすがに少し錆びも見えるけど昭和で退役した船と考えれば全然ちゃんとしてて、このままリアルに出航してもよさそうな感じだったので、船に乗る感覚で入館できてワクワクした。入館は有料だけどJAF割り効いて410円。
中に入るとさっそくリンゴ売りのおばちゃんの等身大人形ジオラマがあって「津軽海峡文化コーナー」に進むと昭和30年代の青森駅前の市場のような露天商や店の人形ジオラマが続く「青函ワールド」が雑魚寝の客室に広がっていた。
これ、人形ひとりひとりちゃんと名前と年齢ついてて解説も細かった。面白く見てまわったけど、なんかこう妙に暗くて、大変な時代を支え合った人々の風景って感じで、厳しさと辛さ故の元気さって感じだった。近くの子供が「こわーい」とまるでお化け屋敷のように親にしがみついてた。。
そんな昭和青森区間を抜けると、パネルの青函連絡船写真展示から連絡船の歴史の解説と船や鉄道の模型が並ぶ博物館になった。
駅内風景の人形もちょこっとあって妙にスタイルいい寅さんぽい人もいた。
細かく造られた模型をじっくり見ながら進むと横の一角には客席があった。
これは運行当時からのグリーン席だそうだ。ちょっと腰かけて休憩。窓から港が見えた。
その先の寝台室は覗く形で飾られてて、ブランケットの巻飾り方(二枚貝とか)のこだわりが面白かった。
他にも「事務長室」「船長室」「サロン会議室」などが覗けた。たまにいる人形にドキッとした。
桟橋駅の350/1模型を見つつ進んでブリッジに入った。
広く悠々な感じの操舵室。就航時はもっとごちゃごちゃしてたのかな。
そして次の順路は外に出て船橋上での展望。広く青森湾が眺められた。
右の山は下北半島?じゃなくてもっと全然手前の夏泊半島かな。
ぐるっと後ろにまわれば青森市街。アスパムやベイブリッジが見えた。
ゆっくり眺めてたら青函フェリーが来てた。いつのまに。。思ったよりも速いね。
そして甲板に下りて鯉のぼりを見上げつつ船尾に歩くと、なんと煙突に入れた!こんなトコ入るの初めて。。中ってこんな感じなの?
そして煙突も登れてこっちからも展望。舟橋より少し高いけどそんなに変わらないね。
吊った鯉のぼりも身近に見下ろせた。
そして順路はエレベーターで一気に下層。車両甲板に下ると貨車や貨物が何両も静態保存されてた。
頭の先の奥には連結器。船尾は港に接続する線路が見えて沸いた。
特急の車両もあったけど、客車が乗る事もあったのかな。
郵便車やディーゼル機関車など見てまわって、更に最下層に下ってエンジンルームまで見れた。すげー。
コントロール室や発電機も見た。ここら辺は今現役のカーフェリーとかとどのくらい違うんだろうかね。
と、一通り楽しく見てまわってロビーに戻った。
最後にトイレ行ってから出ようと思ってトイレの場所を聞いたら「鉄道模型ショー」の展示室の奥だとのことで、通過がてら鉄道模型を鑑賞。
広く長いサークルの線路が組まれてたので走らせてる新幹線も速度ついててカッコよく見えた。城のジオラマがあったので弘前城かな?と思ってみたら彦根城と書いてあった。なぜ?(弘前だと八戸から来た人は嫌がるからとかかな?)
そして外に出た。あー船乗って海渡りたいなーという気分で悔しく思いつつもスポットとしては大満足のおもしろいトコだった。
車に戻りつつ、少し先に出て船を見た。
横には「津軽海峡冬景色」の歌碑があって曲がエンドレスで流れていた。
うーんこれだよね。このイメージ強いよね。いい歌なんだけど、なんかみんなつらそうで重いんだよね。
そしてその横に何故か戦時中に空襲で攻撃された時の説明があった。なんで館内に展示しないんだろう?とか思いつつ、じっくり読んで出発した。
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