稲敷市稲波の小野川の土手沿いにある野鳥観察地。
国天然記念物のオオヒシクイの群れが関東では唯一飛来する場所がこの旧江戸崎町の干拓地だそうで、その保護のために周りの道は全面的に駐車禁止になっていて、「稲敷雁の郷友の会」が管理するここにだけ駐車場が設けられて観察できる場所となっているようだ。
昨日の日誌を纏める作業でGoogle地図見てて気がついて初めて知って早速来てみた。
っていうか「オオヒシクイ」という鳥さえ知らなかった。
以前「国の天然記念物」というフィギュア付き雑誌を全号買い集めて読んでたけど、出てなかったよなぁ、、(特別天然記念物じゃないから掲載されなかったのかな?)
知った気にならずに色々調べてみるべきだよなぁと思った。
さてさて、観察小屋といってもネイチャーセンターみたいなのがあるわけではなく、友の会のプレハブの詰め所と簡易トイレがあるだけで、干拓地側の建物は水田の揚水機場でヒシクイのパネルは立ってるけど鳥と関係ないものでパイプ柵で閉鎖されていた。
詰め所の前に数人の人がいて三脚のカメラと単眼鏡が田圃の方を向いて並んでたので「あれ?鳥は川じゃなくてこっちの方にいるんですか」と聞いてみたら、「夜は川で寝るけど朝から夕まではこっちに上がってくる」んだそうだ。
「触らないように覗いてみて」と言われたのでありがたく単眼鏡を覗かせてもらったら、たくさんのヒシクイが集まってるのが覗けた。おお、これか。
自分のカメラでも最大ズームでその方向を探してみたけど、なかなか見つからなかった。。
これか!と思って写した凹凸はただの土だった。。(なんか小鳥は写ってたのが残念賞みたいで笑える)
何度か単眼鏡を覗かせてもらい、「逆光で眩しいし、そのカメラじゃ見えないかも」といわれつつ、背景の建物や電線の鉄塔などでアタリを付けて「あのあたりですよね」「いやもっとこっちの光ってる屋根の建物の所」と助けてもらって、やっと見つけられた!
うーん、たしかにデジタルズーム最大でなんとか写せるくらいなので、単眼鏡で見たようにはっきりは撮れないけど、自分のカメラで撮れたという満足感は大きかった。(撮れなきゃ点景にもできないしw)
何枚か撮ってたら、翼を広げてるカッコイイのも撮れた。
これ、この友の会の人がいなかったら完全にちんぷんかんぷんで川を見てカモ見て帰るだけだっただろうね。(っていうか川は見なかったな)助かった。
鳴き声は変な声で、トランシーバーで通話してる人の声のように聞こえた。(マジで誰かが通信してるもんだと思っててしばらく気づかなかった)
「今年の渡来数はどうなんですか」と質問すると「今年はもう200羽も来て」るそうで、去年が最大の207羽だったそうだから更新しそう。「今年は来始めるのが遅かった」そうで「温暖化ですかね」とか話してたけど、それで渡来数が増えるのは嬉しい気がする。
少し話を聞きながらのんびりしてたら、群れの2羽が飛びあがった。
おーおーこっちにくるね。逆光だから影だけど、これが一番大きく写せたかな。
見た目の色模様はカモっぽいけど、大きさはカモより全然大きく白鳥より小さいくらいのようだ。
「1羽離れてるのの様子を見に来てるんだべ」との話で、飛ぶ先を見るともっと近いトコに一羽いるのが見えた。「ケガしてるのかねぇ」と話してたけど、見た感じ毛繕いして元気そうに見えた。一人になりたい時もあるんじゃないw
ヒシクイばかり見てたけど、鳥は他にも色々いて、なんと揚水機場の裏側のパイプ柵の上にカワセミが来て停まってたりした。(これは写真撮れなかった。。無念)こんな近くでカワセミを見れたのは初めてで感激した。
他にもツグミなんかは普通に「私も撮ってよ」と言わんばかりに近くに降りてきててかわいかった。
天然記念物は貴重だけど、他の鳥も素敵に思える素人でありたいと思った。(魚釣りで外道を毛嫌いするみたいなのはウンザリ)
ちなみにヒシクイはガン(雁)の一種でカムチャッカ半島から飛来する渡り鳥。雁は警戒心の強い鳥でその種類の中でもヒシクイは特に警戒心が強いそうだ。
友の会の人の説明のように昼間は陸で草の根などを食べて(ん?水辺の菱を食うんじゃないの?)夜水辺に移動して寝る習性で、その移動の「ねぐら立ち」「ねぐら入り」という集団飛行が見どころらしい。寒くなきゃ来てみたいけどねぇ。。
30分弱ゆっくりして友の会の人達にお礼を言って静かに出発した。