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旧茂原海軍航空基地 掩体壕

ファイル 3085-1.jpg茂原市本小轡東ノ妻にある有蓋掩体壕跡。

太平洋戦争の戦争遺跡で、文字どおり海軍茂原航空基地の空襲対策の航空機格納壕。こういった掩体壕はわりとあちこちに残っていて県内では館山でも見たことあるけど、ここのは十数基の掩体壕が倉庫などに使われながら点在して残ってるそうで、高知空港並みに並んでるのかな?とか思って来てみた。
けど、
それぞれ宅地や畑や林に埋もれてて、わざわざ探さない限りは幾つも見かけることはなさそうな感じだった。
そのなかで、ちゃんと案内が出てて道脇にあって見やすかったのがこの三号掩体壕。

ちゃんと案内板もあり、中もスッキリしてて少し剥げたコンクリ面から鉄網がちょこっと覗けたけど、キレイに保存されていた。これだけは茂原市で保存・管理しているものだそうだ。
まぁ形としては他の地域に残る物とそう変わらないので、どうという感慨もないけど、道の前に平然とある感じはちょっと面白かった。

ファイル 3085-2.jpg

この茂原基地は日米開戦直前の昭和16年9月から建設が始まったそうで、なんとそれまであった町の家や学校や寺を強制転移させて築いた基地だそうだ。住民たちは補償などない上に家屋を解体して転居せよという命令に従わさせられたとか。鬼だな。
基地の建設は横須賀の設営隊をメインに地域住民や中学高校の学生も動員されたとある。まぁ真珠湾前とはいえ日中戦争継続中で国家総動員法とかあった時代なので逆らえるわけもない。大変な時代だったんだよな。(それに比べれば今の緊急事態なんて楽園)

掩体壕は前と横から見るだけで、裏は茂みになってて入りこめなかった。左のすぐ脇には用水路が流れてて、なんか不安定そうな場所に思えた。

ファイル 3085-3.jpg

壕の上は半分草が茂ってて、下の方には薄紫の花(ヤブラン?)が咲いていた。
なんか戦争遺跡のものが草木に埋もれてキレイな花とか咲いてたりしてるのってラピュタっぽくていいよね。「人は土から離れては生きられないのよ」航空基地跡で言うのはトンチンカンすぎるかな。

他の十基の掩体壕は全部私有地内で倉庫に使われたりしてるそうだけど、まぁこれを見れば充分かな。そんなに形がも違わないだろうしね。
ってわけでここだけのつもりでゆっくり眺めて車に戻った。

ファイル 3085-4.jpg出発して少し進んだ先で横目に東側のソーラーパネルの合間にも掩体壕が見えた。
なんかちっこくって筒っぽかった。
これは十数基の掩体壕のひとつではなく車両用のものだそうだ。
ってことは、そういうのも含めたらもっと沢山あるって事か。

タグ:観:軍 植:花