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成田空港 空と大地の歴史館

ファイル 3031-1.jpg芝山町岩山の航空科学博物館の奥にある資料館。

先月「三里塚記念公園」に行った後に成田空港反対闘争の資料館とかないのかなと調べて知ったトコ。入館無料。
空港超肯定の航空科学博物館の奥にあるきれいな建物が、血みどろの負の歴史っていうのがなんか不思議な感じ。

入って記名すると使い捨てのスリッパを渡された。土足禁止なんだ。
写真はOK。館内は丸四角なワンフロアを円形にコーナーを区切られて展示。中心の木は何を示してるのか説明はなかった。

ファイル 3031-2.jpg展示はまず空港問題前のこの地域の開拓の話から。戦後に焼け出された人や沖縄の人達が入植して開墾したそうだ。

で、最初に国際空港の候補地は他にあって、その各地で反対のデモがあったそうだ。霞ケ浦では船でデモとか。
なので、御料牧場と県有地が多いこの地に急遽変更。現地の民間には説明もなしに決定したのはデモをさせずに捩じ伏せようという舐めた考え。その結果長く深い抗争をうむことになったという事ね。

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地域の人にしてみればこれこそ本番の本土決戦という気構えで抵抗は続き、青年婦人子供も一緒の総力戦。糞尿を投げてたりもしたそうだ。
条件呑んで承諾した賛成派の家は村八分ということもあったり、学生運動の左翼学生や共産主義者と組んで共闘して、死者も出て血みどろの戦い。あらためて見ても国家も民間もどっちも嫌な気分しか持てないなぁ。

妨害に遭いながらも空港は造り上げられ、開港目前の管制塔占拠破壊事件で開港が延期すると、国も世論も単なる破壊工作としか見なくなって抗争は下火になったそうだ。

残りのコーナーは「円卓会議」「長く重い時間」と容易には決着のつかない課題という感じながら、青や緑の爽やかな配色でキレイに現在につなげるように纏めてた。

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個人的には旅行や見送りで何度も利用している成田国際空港。
今現在危険や不穏を感じる事は無く国内最大の国際拠点空港としてまた利用することがあればいいなぁと思ってる。(けど、もう海外は行かないかなぁ)
もちろん抗争の歴史もいろんな媒体で触れて認識してたので大まかには知ってたし、こうして資料展示を見てみても見方変わる事は無く、やっぱり暗い気分にさせる客観的事実として認識するだけ。
細かい所でふーんと思うところはあったけど、死者多数出るような抗争は不毛なテロ。でも負の歴史でも埋もれることなくこういう記念館がちゃんとあるというのはいいことだと思った。

タグ:観:館 観:史 観:具