潮来市(旧牛堀町)永山の51号沿いにある川魚料理店。
ちょっと変わった川魚料理の第三弾
今回はワカサギ
ワカサギと言えばフライが唐揚げが一般的。でも主な原産地の霞ヶ浦周辺の家庭では白焼きで食べるのが一般的というのをテレビで見たことがあって、そういうのを食べれる店は無いのかと調べたりしていた。
けど、意外と少なく「ワカサギの塩焼き」で見つかった店が二店。そのうちの一店がこの清水屋。51号沿いでわかりやすく行きやすくいつか行こうと思ってた。
で、淡水魚料理が続いてたので今日はこれだと来てみた次第。
51号から店に入ると、表の道からは見えなかったから知らなかったけど何か思ってた以上に立派なちゃんとした店で驚いた。
短パンサンダルに「洲崎西」のTシャツという格好で入るのは気が退ける印象で怯んだ。
けど、半端な時間で停まってる車も他一台だけだったので、まぁいいかと、おもいきって入店。
中もやっぱりちゃんとしてたんだけど、店の人は感じ良く席へ案内された。
メニューを見ると「ワカサギの塩焼き」は一品料理だけ。天ぷらやフライは定食セットであるけど一品料理でも塩焼きの倍近い値段。そんなに違うのか。。
店の人に聞くと定食にもできるとのことで「ワカサギの塩焼き」の定食でたのんだ。
メニューの他に雑誌の切り抜きのような店の記事と、「天狗党の乱銃撃事件」という記事があって、軽く読むとなんとこの店、創業245年以上の老舗(安永3年(1774)の創業)の名店だそうで、利根川の天然ウナギに創業以来の秘伝のタレなーんて記事を見て、これはウナギも食べてみたい!と思ってメニュー変更。「やっぱり鰻重をおねがいします」と、うな重(梅)にワカサギの塩焼き単品に変更した。
そして記事を読んで待った。
何やらこの店、天狗党が幕軍に追われた時に訪れてて、麻生藩と佐倉藩で取り囲んだんだけど、佐倉藩がやる気がなくて攻撃せずにうだうだしてる内に天狗党は転進して去って行き、やっと攻撃を始めて発砲したころにはもぬけの殻でその弾痕が柱に残ってるそうだ。
佐倉藩のへっぴり腰という笑い種の跡だけに佐倉からのお客は面白くないかもね。
っていうかまさか魚を食べに来てそんな歴史にふれられるとは思わなかった。
更にこの店は清朝ラストエンペラー愛新覚羅溥儀の実弟「溥傑」が来店し宿泊滞在したそうだ。戦後も森繁久彌や三船敏郎、梅宮辰夫に坂本九も来てたそうだ。へー。 そして、ちる蔵さんも来店w
そして先に「ワカサギの塩焼き」が出てきた。銀の肌も崩さず焼いててきれいだね。
まず一つ、頭から食べてみると、、ん?シシャモと変わらない?って感じだったけど、身の方は全然おいしく風味あっていい魚だった。(なんかカジカと同じような感想でもうしわけない)フライや天ぷらより塩焼きの方が個性出るね。素直においしい魚だった。
塩焼きだと頭は少し食べずらいのが難点かな。それに崩れずに焼くのは難しそうだから出す店も少ないんだろうね。頭だけフライで身は塩焼きとかできないかなーw
ワカサギ食べ終わって余韻にひたってたところで鰻重(梅)登場。
あ、鰻食べるならやっぱり老舗がいいんだね。これはうまかった!
この夏は安食で鰻重を食べただけでなくスーパーでも鰻弁当買ったりして何度か鰻を口にしてたけど、なんかまるで今年初めて食べる気分で「ああ、やっぱりウナギはうまいなぁ」と感嘆した。
ふっくらの身と程良い皮と流石のタレ。にやけちゃう。肝吸いもしっかりおいしくごちそうさま。
来年夏のボーナス入ったならまずここに来ようと思った。(あ、冬でもいいか)
いかんいかんワカサギを食べに来たんだけど、やっぱりウナギにもってかれたね。先に出てきてなかったら感想もなかったかもしれない。いやいやでもワカサギもおいしかったのは間違いない。
食事の後はデザートに柚子ゼリーと番茶のサービスまであって、心地よく食事の余韻を楽しんだ。
食べ終わって会計に立ったけどお会計場所が無くて慌てた。席で済ませばよかったらしい。ロビーで「ナツワカ(霞ヶ浦名物の夏のワカサギ)」のチラシを見ておつりを待った。
おつりを受け取って店の人とワカサギの話をしつつ、店を出る前に「そういえば天狗党事件の銃撃跡の柱ってどこにあるんですか?」と聞くと、「あ、これです」と店内に移動されてあった。気付かなかった、、
店の人が「おはずかしながら歴史に疎くてよくわからないんですよ」というので「説明文によるとこういうことらしいですよ」とか調子に乗って解説して、更にずうずうしく天狗党の乱の顛末まで語り「福井の処刑地も行ってきました」などとつらつらと話した。
これもひとえに店の人の話の聞きだし方がうまく、喋らせて気分良くさせてもらってるんだろうなぁと思えた。老舗の料理店のおもてなしだろうね。こんなラフな格好の客にも丁寧に接してくれてて有難く思った。
っていうか、昨日の水族館といいついつい話し込んでしまいがちで、人との会話に飢えてたんかな。。
そういう面でも満たされたいい食事になった。ぜひまた来たい。