北秋田市阿仁打当陳場にある熊専門の動物園。
「くまくま園」は愛称で、正しくは「阿仁熊牧場」という。
クマってさぁ、日本国内で最強の野生獣で、害多く恐れ嫌われそうな動物なのに、なぜかキャラクター的にはおっとりした愛嬌あるキャラ扱いだよね。
でも日本固有種のそんなニホンツキノワグマだけの動物園とか興味があった。
だってふつう動物園てゾウやキリンの海外の動物が人気じゃん。クマだってシロクマくらいじゃないと見ないよね。
僕は魚もカエルも動物も国内種が好きなので、(昨今の外来種排除の影響ではなくもともと好きだった)その地域に生息する動物が主役の場所という意味でも好感もっていた。
けどねー無料の小動物園なら「無料だから散歩がてら」というていでさりげなく行けるけど、やっぱり家族連れやカップルの多い有料の動物園を1人でというのは場違い感強そうで気が退けた。
ので、ここも興味ありつつ今回も来るつもりはなかった。
でも、クラゲの水族館だって楽しかったじゃん!博物館だって動物園だって一人の方が自分のペースでじっくり楽しく好きなように楽しめる筈!と最近思う様になってきてはいたので、思いきって来てみた。
ら、
なんと料金無料だった。
ん?コロナの関係?緊急経済対策?7月と8月の間はずっと無料だそうだ。へー。ラッキー!
無料なら怖くないw 無料だから来てみたんだよーと堂々と入場。
(でもやっぱり園内は家族連れとカップルしかおらず、お一人様は自分だけだった)
園内はとくに順路は無く左回りに坂を登ると、まずは0歳の「こぐま」の熊山コーナー。
元気に二頭の子ぐまがじゃれあってて可愛かった。うんうん、安全な距離から見ると実に可愛い動物だ。さっそく癒された。でもこんな0歳児でも闘ったら勝てる気しないねぇ。
いやークマと相撲とか馬乗りにしてた金太郎は凄いんだなぁとあらためて思った。
そして1歳の小くまはガラスの中で一頭だけだったけど元気に行ったり来たりしてた。
この子はガラスに手を付いて手の平もよく見えた。っていうか一番間近で見れるクマで、1歳児でも充分デカかった。
2歳3歳の小くまは熊山の柱に登って餌キャッチしてた。
エサ売ってたのか、、気が付かなかった。。まぁ人が上げてるの見てるだけでもいいや。
そして餌が切れると柱から降りた。いろんな動き見れて面白い。
これらはみんな地元産のツキノワグマで、それ以外にヒグマの舎もあってそれはこの後ろの奥の建物。
入って階段を上がるとヒグマの熊山は表の区分けされたツキノワグマの部分全体くらいの広さで、上から覗く形でゆったり見れた。
その広い中にヒグマは三頭、これくらいがストレスにならない距離感なのかな、(実際に飼育してる数はもっとたくさんいるそうだ)明らかにツキノワグマとは違う貫禄ある風貌の茶色いヒグマが水浴びしたりウロウロしたりしてた。
順路に沿って進むと奥の階段を下ってガラス越しに間近にものぞけた。けど、間近でうろつくタイミングは難しかった。
資料コーナーもあって読んでゆっくり進んだ。
この「くまくま園」は元々山で親とはぐれた子熊を保護する施設で、地元のツキノワグマだけの「クマ牧場」だったんだけど、県内の「八幡平クマ牧場」でヒグマが脱走して飼育員2名を殺害する事件が起きて閉鎖して、そこのヒグマの受け入れ先としてこちらのクマ牧場で新たにヒグマ舎を増設して受け入れ「くまくま園」として2014年にリニューアルオープンしたんだそうだ。
ヒグマは国内では北海道にしか生息しない雑食性の動物。気ままな性質で単独行動。少し共感できたりして。
で、人口と分布面積に対するヒグマの生息数の表を見ると、北米やロシアに比べて北海道は段違いの濃さ!すごいなぁ北海道民。
そしてまた表に戻ってツキノワグマ。
さっきの2歳3歳の小くまの熊山を見ると、今度は二足で立って餌をねだってた。。やっぱカワイイ。
次は4歳以上の大くま。
もうこの子らは慣れすぎ。立ったり座ったり水浴び一つとっても気持ちよさそうにこっちを見ながら浸かってくつろいだり。
なんだいその愛らしさは。
ひょっとして山で出会っても驚きさえしなければ「森のくまさん」の歌のように友好的に接せられるんじゃないかと錯覚しちゃうそうな平和さだった。(クマが友好的なのは日本語詞だけらしいが、、)これはキャラクターにもなるわな。
のんびりゆっくり眺め廻ってひとまわり。
最後はなぜかウサギの舎もあった。何の解説もなかったけど、これも山で保護されたウサギとかなのかな?(ヒグマのご飯じゃないよな、、)
っていうかやっぱウサギのかわいさは反則。暑さのためかそういう時間なのかグデーとお昼寝してた。そのグデ方は反則だぁ。にやけてしまう。。
ひとまわりして最後に貼られてた園内の案内図を見た。
うわー先にこれを見てから回ればよかった。やっぱ廻るの逆だったんだ。。とも思いつつ、充分楽しんだのでOK。
記入した感想アンケートを渡したら記念シールも貰えた。
これで無料は有難すぎるし、応援のつもりもあってツキノワグマTシャツを購入。(サイズもXLまであった)
保護した野生動物を平和に眺めるというのは自然界においてはイレギュラーなファンタジーに近い空間だとは思うけど、それでも動物にかわいらしさを感じてほわほわした気分になれるのは有難い施設。親子恋人にかぎらず老若男女関係なくすべからく楽しむべき。
と、堂々と園を出たけど、駐車場でやっぱ場違い感が一気に戻ってきてそそくさと出発する小心者でした。