下妻市大宝にある神社。
旧国道を走ってて「あじさい祭」の幟を見かけて気になって来てみた初めての場所。こんな大きな神社があるなんて全然知らなかった。
大きな鳥居の横の広い無料駐車場に車を停めて歩いた。
その鳥居の下のちょっと焼けて見ずらい神社の案内を見ると、御祭神は誉田別命、足仲彦命、気長足姫命、つまり、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后の八幡宮トリオ。社伝によれば大宝元年(701)に藤原時忠が宇佐八幡を勧請した神社で、関東最古の八幡宮ということだそうだ。
参道も太く真っすぐで中間には門があって阿吽の仁王像が立ってた。あれ?神社だよな?とか思いつつくぐると、その先はアジサイだらけ、、かと思いきや、チラホラ程度だった。あれ?あじさい祭だよな?
横の手水舎の前には「重軽石」があり、持って軽く感じたら願いが叶うという石があった。けど見てみたら小さかった。。これ、重く感じることあるの?
そして手水はアジサイが飾られててちょっとあじさい祭りっぽい感じだった。なんかお洒落な感じ。
手水はカメ、横には七福神の宝船やカエルもあった。
近くには石の甕があり、洒落た毬の浮く水面には赤い金魚が泳いでて、猫のフィギュアが釣り糸を垂らしてた。
そして拝殿は更にお洒落に飾られた和傘の裏からの灯りがキレイで、曇ってトーンの低い時間にピッタリで見惚れた。看板の狛犬の絵に添えられた「雨だって嬉しくなるね」という文もイイ。
ごってりこてこてに飾るのではなく部分部分を引き立たせてて凄く素敵だった。不思議な気分でお参りした。
そっか大量のあじさいよりも、目立ち引き立つくらいのあじさいがさりげなく咲いてるあじさい祭りというのもいいもんだ。
とか思いながら、裏の本殿にまわって奥にも歩いてみた。
境内は末社も多かったけど、その合間に御神木も多く「菩提樹」とあったり「夫婦檜」というのもあった。
根の部分が契りを交わしてるヒノキだそうだけど、写真では手前の夫婦石で隠してしまった。。申し訳ない。
そして何気にあったカエルの像、苔でミドリっぽくなっててまさにカエルだった。小さなカエルが沢山引っ付いてた。
大宝城跡の石碑がある辺りが一番奥かなーとか思ってたけど、その先に続く道を覗いてみたら、、
ななんとなんと、その先の坂の下があじさい園だった。
おおお、これは驚いた。さっきはさりげなく咲いてるくらいのあじさいで妙に納得してたけど、まさか奥の裏にこんなに咲いてるとは思わなかった。なーんだしっかりあじさい祭りじゃん。アジサイは奥に沢山あるよってもっとアピールしなさいよ。自分みたいに端の端まで見て行こうっていう人じゃなかったらお参りだけして帰っちゃうかもよ。
林から先に覗けた緑の田圃の中を関東鉄道の車輛が通るのが見えた。すぐ先が線路だった。
この一面は水色のアジサイ一色だったけど、先に進むと赤いのもチラホラ見えた。
そしてここにも大宝城跡の案内板があった。(同じものが大鳥居の下や神社手前の森にもあった)
「大宝城」は平安から南北朝までの時代にあった城。南朝の拠点となった城で、三方を沼に囲まれた要害だったそうだけど、興国4,
康永2年(1343)に落城。城主の下妻氏は討死したそうだ。
じゃあ往時はここらは沼岸かなーとか思いながら進むと、まだまだ先にもアジサイが咲いてて、これはこれは図らずも望んでたようなあじさいスポット。近所だったら有料になりそうなくらいの数と密度で、花の種類も多くいろいろ咲いていた。
斜面にも咲いてて、カナブンも花の中で戯れていた。
この斜面は城の土塁なのかな(そうらしい)ぐるっと回って折り返すと斜面(土塁)の上にも道があってアジサイに包まれながら歩けた。なんかもう国史跡の城跡のあじさい園なんて至れり尽くせりである。
ひとまわりして満足してまた神社の裏に戻った。したら、本殿の北側にはちゃんと案内が立ってた。今あるこの本殿は天正5年(1577)に下妻城主の多賀谷氏が再建したものだそうだ。え?え?そんな昔の建物なの?って驚くくらい普通な感じに見えてて写真も撮ってなかった。。
他には大正天皇即位記念樹「大王松」とかあり、拝殿に戻るとあじさい園を案内したジオラマがあった。。右回りで進めばよかったのね。。
「平成狛犬」という御利益を得たい箇所を撫でる狛犬があった。目を撫でた(すぐ疲れるので)。
他にも境内にはありすぎるくらいいろいろあって濃い神社だった。
まず「蝉鐘楼」。え?神社なのに鐘なの?と思ったけど、その前に瓦や彫刻で幾つものセミがいて珍しかった。蝉は火災難徐の守りだそうだ。で、鐘は嘉慶元年(1456)に鋳造されたもので、天正元年(1574)に多賀谷氏が猿島に出陣した際に戦利品としてぶんどって奉納したんだそうだ。っていうか県指定有形文化財だけど「自由に搗いてください」だそうで、まじか!とひと突き、ゴーーンといい音した。
更に多様多種の御神木、まず「お乳銀杏」木の乳に触れると母乳の出が良くなるそうで、触れませんでした。
「奥州紅」は奥州征伐へ向かう源氏の必勝祈願の故事に因んだ木だとか。
「なんじゃもんじゃの木」は10mのヒトツバタゴ。ここらへんは趣味的な感じがする。
最後に歌手の相川七瀬がデビュー25周年記念に植樹した榊とかあった。ん?相川七瀬ってここら辺の出身?
と、まぁ、「?」も多かったけど、とにかく情報量の多い神社で、曇り空の午後遅くながら思いがけず楽しく歩き回れた。