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さいたま水族館

羽生市三田ヶ谷の羽生水郷公園内にある水族館。

海のない埼玉県らしい淡水魚だけの水族館で、巨大な青魚がいるとかで以前から興味はあったけど行ったことはなかった場所。事あるごとに冗談で人を誘ってみたりしたけど「淡水魚しかいないってアリエナイ」と(子供の頃の甥にも)小馬鹿にされ、興味を示す人ゼロだった。

そしてこの埼玉には魚道が覗けるお気に入りの施設があり、有料の水族館にわざわざ行かずとも自然の野生の魚を眺めに行く方がドライブの寄道としては最適だし楽しかった。ので、まぁ行くことはないんだろうな、、と思ってた。

のが、
昨今のコロナの疫病流行でその魚道の観測室が閉鎖されてしまった。
あーもーこれは有料水族館でも行かなきゃオサカナ欲が満たされないなーと思い、とうとう来てみた次第。

「羽生水郷公園」の広い駐車場から歩いて、水族館の位置は分かってたけど何気なく公園の案内図を見てみたら、「天然記念物ムジナモ自生地」というのが目を引き、そっちを見たら展望台みたいなのが見えたので、先にそっちに行ってみた。

案内板には「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」とあった。「ムジナモ」は水生植物だそうで、なんと国指定天然記念物。国かぁ。
さっそく展望台に上がって見下ろしてみた。 けど、やっぱこの時期は草生えまくりでダメかぁ。。まず水面が見えない。。本当に沼ですかここ。(なんかつい最近似たようなことがあったような、、)

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ゆっくり眺めて草の合間に見える田圃のような水面を探してみたけど、そんな水草は見つからなかった。。
なぐさめとしては、黒くてきれいなチョウトンボが沢山飛んでた。

水辺の柵の手前を歩くとキノコがはえまくってたり、カエルがぴょこぴょこ跳ねて逃げた。ダルマガエルとツチガエルだった。自然は豊かに保護されてる気がした。

ファイル 2823-2.jpgそのまま公園部の方の池にも歩いてみたけど、水草が浮いてる雰囲気ではなくあきらめた。

で、水族館。
やっぱり平日でも家族連れがメインなんだね。
入口でちょっと怯んだけどままよと入園。連絡先の記名をして入場券買った。

錦鯉の大きな池を横目に過ぎて水族館に入館。

入るとまず最初の円柱の水槽には、小型の鮎が群れて泳いでいた。
この春に生まれた鮎だね。(アユは1年しか生きないから今年生まれたのしかいなくて当然だけど)
やけに色が白くてヒョロヒョロっと儚げで行儀よく泳いでいた。
やっぱり普段は利根川の野生のを見てるからそう感じたのかも。

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常設の水槽は川の上流の魚から順繰りに並んでて、まずはイワナ。こんな赤い日光岩魚は初めて見たかも。きれいだった。そしてヤマメ。イワナとヤマメが別なのが珍しい。余裕あっていいね。
オイカワも婚姻色でキレイだったけど動き素早く写真失敗。。
オオサンショウウオは中国のがでかく日本のがスマートだった。実は日本には移入種(中国大山椒魚)のほうが多く居るというのは知らなかった、、

そして先日食べたカジカ。(実物はうまそうに見えないw)小さなトウキョウサンショウウオもかわいかった(でもサンショウウオは二度と食べたくないなw)

順に見進むと「繁殖賞」の受賞をパネルで解説してた。
このさいたま水族館は「ケツギョ」と「アオウオ」と「ヌマムツ」を国内で初の繁殖に成功したそうな。
ヌマムツだけは国内種で意外だった。(本来は東日本にはいない移入種だから一緒かな)
そんな「ヌマムツ」と「アオウオ」は写真撮ってたけど「ケツギョ」は撮ってなかった。。外来種のコーナーだったかな。(見たことないけど利根川にもいるらしい)
「アオウオ」は大きい水槽に大きいのがいた。でもソウギョとの見分けがいまいち難しいなぁ。

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そしてさっき食べたばかりのコイ。一番ふてぶてしいね。
実はコイもほとんど中国からの移入種だと解説されてた。
さらにさっき周りで食べられてたウナギ。ウナギはオオウナギが別にいてそっちの方がおいしそうだった。実際はどうなんだろう。

外来魚コーナーはまず最初にブラックバス。これもやけに色が薄くておとなしい。ラージマウスとスモールマウスで別々になってたのが珍しい。
外来種は最近特に嫌われがちだよね。自分も嫌いがちだけどブラックバスだけは釣りしてた頃から好きだったので嫌いにはならないなぁ。(とか考えててバス以外写真撮らなかった)
魚には罪はないけど外来種の分布の危機感や実状実害、いつごろから増えたか、原産地ではどういう扱いの魚か等の情報も解説してくれてたらいいのになぁ、、と思った。

そして希少種のコーナー。ここがメインかな。説明も丁寧だった。
まず先月大田原で見てきた「ミヤコタナゴ」やっぱりキレイだけど素早かった。

そして今では熊谷でしか生息していない「ムサシトミヨ」。埼玉県の天然記念物で県の魚に指定されている。色も模様もなく黒んずんでて見た目はパッとしなかった。
ちなみに先日見に行って見れなかったのは「イバラトミヨ」個人的にはトゲウオの仲間の「イトヨ」や「ハリヨ」との差がよく分からず、巣をつくる魚と言っても巣まで見れるわけがなく、希少種でなかったらあまり興味もたないかも。魚としては「ミヤコタナゴ」の方が好き。

そしてさっき見れなかった「ムジナモ」。へーこういう水草なんだ。
根が無く浮いてるだけの変な水草で、なんと食虫植物。つぶつぶのような袋に虫を誘って捕獲するそうな。拡大鏡のある水槽はありがたくよく見えた。筒形の水槽でも展示してて、ゴミの用に浮いていたwwへーんな植物だなぁ。さっきの宝蔵寺沼が唯一の自生地だそうな。

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最後は子供の写真用のコーナーがあって、顔を出せる金魚の水槽は、金魚が染めたように鮮やかな赤でキレイだったので思わず写真とった。子供を映しても魚より霞みそう。。

そして外に出た。
離れの別館でやってる特別展を見に行く前にコイの池を見てみたら、なんとこの池、横から覗けるようにもなっていた。
大きな錦鯉なみにでかいアルビノの黄色いソウギョや、それよりもでかいアオウオが泳ぐのが覗けて、更に脇にエサのガシャポンがあって、エサに集まり食べる様子も横からもみれていた。
これはおもしろい。騒いでた子供連れがエサ撒き終えて退散したあとに自分もエサ買って撒いて楽しんだ。

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いやーおもしろい。大きいのだけじゃなくて小さなオイカワみたいなのもいて賑やかだった。
これは空いてる平日に来てみてホントによかった。休日だったら家族連れがもっといて割って入れないだろうし、やらないだろうし。

全部撒いて奥へ進むと、池の別の区画にはチョウザメがいて、でっかいチョウザメも横から覗けた。
え、ここもエサ撒いていいの?うわーさっきのところで前部撒かないで半分とっとけばよかったなぁ、、と思った。(もうひとつ買えばいいのに)

さらに池から川のようにつながった側にも長鰭錦鯉とか沢山いて、さらに奥の布袋葵の池にはピラニアみたいなでかい魚「レッドコロソマ」がうようよ泳いでいた。こっちでエサ撒いてみたかった!(だからもうひとつ買えってw)
横には「かわうその渓流」というのが準備中とあった。面白そうだ。

そして最後に特別展「SOS怪獣大集合」
これは世界の風変わりな魚や爬虫類、両生類を怪獣に見立てて、キャラデザインされて展示する企画展。子供向けではあるけど面白い展示だと思った。順番に見てたら最後の方に「アズマヒキガエル」とか普通のガマガエルも混ざってて微笑ましかった。
そして中心に自衛隊の戦車や自衛艦のプラモに囲まれた展示があって、子供が自衛艦で遊んでた。っていうか護衛艦というのが面白いなぁ。大和とか昔の軍艦が混ざってそうなもんだけど。館内にマニアの人がいるのかなw

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じっくりまわって楽しんで、最後に売店見てたらムサシトミヨが書かれたさいたま水族館のTシャツ(背中には漢字で「武蔵富魚」)があってXXLとかあったので思わず購入。満足で園を出た。

その後も公園の池をフラリ散歩。
シオカラトンボの写真を撮って立ち止まってたら、水族館の職員の人が歩いてきた(見まわり?散歩?)ので、「すみません、こっちの池にはムジナモというのはいないんですか」と話しかけてみた。
いないそうだ。
けど、とても話しやすい人で、ムジナモから水族館の話、魚や虫の話などこういう話しができる人がまわりにいないもんでついついいい気になって話し込んでしまった。
ちなみにムジナモの花は夏の今時期に咲くそうなんだけど、水族館の人でも見れることは希なんだそうだ。そして、食虫植物とはいえ栄養豊富なら虫を取る必要はないわけで、虫獲るところは水族館でも見れるのは希だそうだ。
で、この公園も水族館も元々は「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」が国の天然記念物になってそれを保護するために造られたものだそうだ。へー。
天然記念物や珍しい固有種の自生地とかって行っても見れない所の方が多いから、こうしてその場所で見れる施設があるのはとてもうれしい。(ヒメハルゼミ発生地とか何ヶ所も何度行っても蟬の声聞けないから資料館くらいあってほしい、、、って話から虫の話になったんだっけ)
ついつい気分よく長く話して足止めしちゃってゴメンナサイ。いろいろといい話をありがとう。

水族館に来て一番興味深かったのが水生植物だったのは意外だったけど、とても楽しめたので思い切って来てみてよかった。
最後に駐車場に戻る途中で足元のアマガエルを見つけたのが締め。舞ってたくらいの細雨もちょうど小雨くらいの降りになってきた。いいタイミングで車に戻れた。


(点景は水族館と公園とで分けるべきだったなと反省)

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